tsumugi

ふだん、言葉にしないことを、でも、残しておきたいことを。

たくさんの想像力とすこしの言葉

師走の寒い日々が続いている(ようです)が、私はといえば真夏の寝苦しい夜も続くような毎日を地球の反対側パラグアイで送っています。

 

のんびりゆったりとしたパラグアイにある、日本食料理屋さんで働いているのですが、従業員は店長以外みんな日本語の話せないパラグアイ人。

私はというとスペイン語を話せない日本人。

 

¡Hola!

Me llamo Haruna.

 

日本を発つ前に辛うじて覚えたスペイン語は、これだけ。

英語がほとんど通じない南米を舐めているとしか思えない私ですが、間違いなく舐めていました。

 

分からないスペイン語の波にストレスを感じながら、伝えられないフラストレーションを抱える日々。

大してハードな生活をしている訳ではないはずなのに、口唇ヘルペスが唇に現れる。

大してハードな生活をしている訳ではないはずなのに、夜11時半には体力の限界が訪れる。

 

ストレスフル社会(と言われている)の日本の方がストレスを感じないと強く、強く断言できます。笑

 

言葉が伝わらない状況が、ちょっとだけ変わったのが昨日。

スペイン語習得は必須スキルだと思い、少しずつ勉強をしているときに気づきました。

「もっと効率的に勉強できる。」

 

もう数日働いているのだから、料理に使う材料はある程度覚えている。

仕事をしているときに使いたい言葉も大体同じもの。

それだけをまずは集中して覚えてやろう。

 

にんじん、ねぎ、ピーマン、鶏肉、豚肉、牛肉、、、

焼く、揚げる、作る、、、

 

文法なんてよく分からないし、何が正しいスペイン語なのかも分からないけれど、とにかく「伝えなきゃ」の気持ちが一番に働いていました。

 

この日の仕事では、文章全体は何を言っているのかさっぱり分からなくても、単語をしっかり聞き取って、相手が何を言おうとしているのか、ゆっくりだけど理解できることが多くなったのです。

 

Donde~?

Comer?

 

あ、まかない食べるか?って聞いてる。あ、おいしいか?って聞いてる。あ、料理の作り方を教えようとしてくれてる。

単語しか分からないから、その時の状況から想像力を働かせて考えます。

それが、大体あってる。

 

私も、覚えたてのスペイン語を使って、身振り手振りを加えて一生懸命返事をします。

¡Esta es~!

¡Yo~!

¡Si!

 

文法なんてめちゃくちゃだろうし、発音なんて大変なことになっているんじゃなかろうか。笑

 

でも、通じる。

 

私が一生懸命話をしようとすると、相手も一生懸命理解しようとしてくれたり、話しかけてくれるようになったのが嬉しくて、とっても幸せな気持ちになった一日でした。

 

ほんのちょっとの言葉とともに、たくさんの想像力を働かせれば言葉なんてほとんど分からなくてもコミュニケーションは取れる。

そう確信しました。

 

うまく話せないから、できないから、海外に行くのはまだちょっと…だなんて、とっても大きなチャンスを逃している。

もちろんできるに越したことはないし、できればできるほど世界も広がる。

 

チャンスがあるなら、言葉が話せなくたって飛び出してみればいいじゃない。

飛び出した先で言葉が話せるようになるかもしれない。

やってみなきゃ分からない!

 

たくさんの想像力と、すこしの言葉があれば大丈夫。

心からそう思った日でした。